森 の 詩

2021/12/29 20:56



2023年、草花がゆっくりとほころび始める季節に南信州の伊那谷で「喫茶 森の詩」が誕生します。

「木・土・石」を使い、伝統構法の木造建築で建てる喫茶店は時間を掛け、丁寧に創られます。



本物の伝統構法はガラス以外、全て土に還る素材となります。

30年〜50年程の寿命と言われる現代建築に比べ、手入れ次第で100年も200年も住む事ができる、次の世代まで考えられた建築になります。




長野市の七ニ会という地域に、妻の祖母が住んでいた築約100年の茅葺屋根の古民家があります。

山々に囲まれ、朝晩には雲海が広がる美しい場所です。




空き家になって10年。

妻の思いもあり、そのままでは朽ちてしまう家を解体し、その木材や土達を喫茶店と住居に使い、この世に再び生を受ける事になります。

現場では、職人と解体業者の素晴らしい連携が自然と生まれ、人の手と重機によって一本、また一本と大切に梁や柱が外されてゆきました。





"時の流れ"が宿った材たちは美しく立派で、今ではなかなか出会えない貴重なものばかり。

これらは来年4月から着工予定の喫茶店に使われ、新しい生命が吹き込まれます。




時代を越えて自然を守り、受け継がれてきた伝統、文化、そして精神。

戦後から今に至るまで気付かないうちに失われゆく世界だからこそ守ってゆきたいと心から思います。


地球に生きる、すべての生命のために。